IBM iのチーフアーキテクトであるスティーブ・ウィル(Steve Will)氏は最近、新たにCTO(チーフテクノロジー・オフィサー:最高技術責任者)とDE(ディスティングイッシュド・エンジニア:技術理事)の肩書をもつようになりました。
IBMには技術職の職位として、最高位の「フェロー」とそれに次ぐ「DE」などがあり、事業分野の序列を示す「CTO」があります。現在、IBMのメインフレーム分野やソフトウェア分野では多数のCTOやDEがいますが、IBM i分野では長い間不在のままでした。
今回ウィル氏がCTOとDEの職位についたことは、IBMの社内外から“驚き”と“期待”をもって迎えられています。「AS/400の生みの親」と呼ばれたフランク・ソルティス氏でさえもCTOやDEではなく「チーフサイエンティスト」が最高位であったことを思い返せば、ウィル氏の昇進がいかに“画期的”であるか想像がつくのではないでしょうか。
IBMではCTOやDEに、技術的な可能性を追求するためのある程度の自由と裁量権を与えています。また社内向けの発言権もより大きくなると言われます。このことから、IBM社内におけるIBM iの重要度がより増すだろうと見る向きや、IBM iの影響をより広めることができると見る関係者もいるようです。ウィル氏自身、「IBM iで培った知識と経験をIBMの他の部分に広めることは、(私がCTOとDEになったことの)最大のメリットの1つ」(The Four Hundredからの引用)と語っているようです。
ウィル氏は1985年にIBMに入社し、ミッドレンジ分野のソフトウェア開発者やストラテジストとして活躍してきました。日本へもたびたび訪れ、講演などを行っています。
[iS Technoport]