IBM i 7.5が発表になりました。セキュリティ、Db2、オープンソース対応などで多数の新機能

IBM iの最新ロードマップ
IBM iの最新ロードマップ

IBMからIBM iの最新バージョン「IBM i 7.5」が発表になりました(5月3日)。2019年のIBM i 7.4以来、3年ぶりのメジャー・バージョンです。IBM i 7.5は、Power9およびPower10マシンで稼働します。

また同時に、IBM i 7.4のテクノロジー・リフレッシュ(TR)6も発表されました。IBM i 7.4 TR6は、IBM i 7.5の新機能・機能拡張を一部追随しています。

IBM i 7.5には、Power10マシンの活用を視野においた多数の新機能が搭載されています。IBMでは、IBM i 7.5の開発の狙いとして以下を挙げていますが、クラウドやAI、オープンソースへの対応拡大をとおして、IBM iのお客様のモダナイゼーションやデジタル・トランスフォーメーションの強力に推進することを目的にした新バージョンと言えます。

日本の多くのお客様にとって影響が大きいと思われるのは、セキュリティ・レベル20の廃止です。現在セキュリティ・レベル20をお使いで、マシンをアップグレードする場合は20を継続利用できますが、新規に購入したマシンのデフォルトが40の場合は、セキュリティ・レベルを20に戻すことはできません。

これについてIBMでは、「セキュリティ・レベル20のままではセキュリティ上、問題となる場合があることは多くのお客様が承知しているが、実際は20のまま放置されている。そのため20を廃止して、レベルアップを図ることにした」という趣旨の説明をしています。

IBMが挙げるIBM i 7.5の開発の狙いは、次のとおりです。

・最新のPowerテクノロジーの活用
・ユーザーに新しい価値をもたらすモバイル、IoT、AI、機械学習ソリューションへのスムーズな対応・移行
・外部サービス、ハイブリッドクラウド、DevOpsを利用するモダナイゼーションへの対応
・オープンソース技術などの採用によるIBM iソリューションの成長
・オープンな言語・ツールの採用による新しい人材の取り込み
・ビジネスデータに対する卓越したセキュリティ/レジリエンシー
・IBMのシステム/ストレージ/ソフトウェア技術の活用

また主な拡張点としては、以下が挙げられています。

Db2 for i
・ラグド・フラッシュ・コピーの追加
・バイナリ・ラディックス・インデックスのサイズを1.7TBから16TBへ拡張
・SQL標準のブーリアン(Boolean)型に対応

Db2 Mirror for IBM i
・IBM i 7.4とIBM i 7.5間の混合リリースをサポート
・アクティブ/リードオンリー・モード
・Db2 Mirrorバージョン管理サービス

ハードウェア対応
・Power10サーバー、Power9サーバーで稼働
・Power10でLPARあたり最大240プロセッサをサポート
・SMT8モードで最大384スレッドに対応

セキュリティ
・セキュリティ・レベル20の廃止
・パスワード・レベル4の導入
・新しいAPIおよびパスワードの適合性確認の導入

圧縮
・ZLIBアルゴリズムへの対応

保管と復元
・IFSへのデータ保管パフォーマンスの向上

アプリケーション開発
・Rest APIの対応パラメータ数を7から248へ拡大

・IBM i 7.5の製品発表レターは以下です。
https://www.ibm.com/common/ssi/ShowDoc.wss?docURL=/common/ssi/rep_ca/8/760/JAJPJP22-0088/index.html
・IBM i 7.4 TR6製品発表レターは以下です。
https://www.ibm.com/common/ssi/ShowDoc.wss?docURL=/common/ssi/rep_ca/7/760/JAJPJP22-0107/index.html

[iS Technoport]

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